①研究の背景

建築科では、木材の加工を行うために、機械を使用しており、それらの機械から出た木くずを集塵機によって集めている。そして、木くずは箱に集められ、月1のペースで、箱に集められた木くずの掃除を行っている。

従来の木くずの箱は、1人では掃除ができず、複数人で行う必要がある。また、複数人で掃除を行うため、効率が悪く、1回の掃除をするために数十分も時間を費やしてしまう。

これらの背景から、1人で効率よく短時間で掃除を行えるようにするために箱の改良をしようと思った。    

②仮説とねらい

従来は、ただ単に木くずが溜まった箱からがシャベルを使って、掃除を行っていた。しかし、箱の下部に木くずの出口を作り、そこにプロペラを取り付けることでごみ袋を支えながら、プロペラを回し、1人で作業できるのではないかと考えた。

また、箱の底には勾配をつけることで、プロペラの部分に木くずが集まりやすくなるのではないかと考えた。

③研究内容

シンプルな箱にプロペラを設け、箱の底には勾配をつけ、1人で、効率良く掃除できる木くずの箱を製作した。

前半はプロペラと木箱の2つをそれぞれの班に分かれて製作して、後半でそれらを組み合わせて、1つの製作物として完成させた。

箱本体は、軽量で加工しやすい木材で製作した。

箱の底の勾配をつけた板は、木くずと合板の摩擦を減らすため、コンクリート型枠用合板としても使われる、塗装コンパネを使用した。

組み立て前

組み立て後

プロペラは、木材では強度や耐久性が不十分のため、丈夫な鉄で製作した。部材は溶接によって接合し、グラインダーという機械を使って、表面を均したり、スパッタと呼ばれる溶接後に周囲に付着する鉄の粒を取り除いたりして、最後には鉄の腐食を防ぐために、塗装も行った。

完成作品

④技術的知識

プロペラは画像のように、加工した部材を溶接によって接合した。

溶接にはいくつか種類があるが、今回は気体中の放電現象を利用して溶接棒を溶かしながら部材同士を接合するアーク溶接によって製作した。

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⑤これからの取り組み

製作した箱を実際に使ってみた結果、プロペラの部分に木くずがうまく集まらずに、プロペラが空回りして、木くずが出てこないという問題があった。

今後、この問題を解決させるために班員で案を出し合い、より楽に掃除を行えるように箱を改良していきたいと思った。

⑥まとめ

今回の作業を通して、鉄を加工し、物を作っていくことは、木材で作るよりも手間や時間がかかると思った。

今回の研究で行った鉄の加工や溶接、塗装などの技術や知識を文化祭の時にも生かしていきたいと思った。