①研究の背景
近年、南海トラフ地震への危機感が増しており、静岡での被害も予測されている。地震が起こると、日常生活では何不自由なく使えていた電子機器などが使用不可になることが考えられる。そこで私たちは、そういった状況を乗り越える際に、化学の力が役に立つのではないかと考えた。
②仮説とねらい
今回私たちが焦点を当てたのは、吸熱反応と発熱反応である。もし食べ物を電気を使わずに冷やしたり温めたりすることができると、避難生活において非常に重要な衣食住をするうえで、負担を減らすことが出来ると考えた。
③研究内容
化学変化による熱の出入りを利用することで電気を使わず、そして簡単に食べ物を扱うことができる。
④技術的知識
化学変化によって発生する熱量は生成熱と反応熱の総和で計算することができる。
化学変化には熱が吸収されるものと熱を発生するものがある。
⑤これからの取組
発熱反応
酸化カルシウムが水酸化カルシウムになる際に発生する熱を利用する。この反応で生成される物質は肥料として再利用が可能であり、この反応では水と酸化カルシウムを利用することで莫大な熱が発生する。
この熱を利用して、水を加えるだけで即座に熱を出す簡易コンロを制作する。
吸熱反応
従来の冷却パックは 塩化アンモニウム と 水酸化バリウム の吸熱反応が用いられている。私たちは、より身近な物質でこの反応を代替し、安全かつ簡単に物を冷そうと考えた。
今回私たちが目をつけたのは 重曹(炭酸水素ナトリウム) と クエン酸 の吸熱反応である。従来のものは反応の際に、アンモニアを生じるがこの反応では二酸化炭素が発生するため、人体に無害である。重曹とクエン酸の反応を研究し、実際に効率よく冷却できるか調べていく。
⑥まとめ
身近なものやリユースできる材料を使用して緊急時のための道具を作ることが出来れば、普段から家に備えておくことが出来るため、防災意識の向上にも繋がるのではないか。
また、クエン酸と重曹及びその生成物はどちらも口に入っても無害であることから、飲料としての使い方も考えられる。このような新たな発見も生まれ、先生のアドバイスを聞き、話し合いを深め、主体的に研究を進めることが出来た。
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