①研究の背景
最近、SDGsという言葉をよく聞くようになった。
私達は、その中でも
この2つの課題に着目した。
その上で私たちには何が出来るかを考えた時に、世の中に出回る洗濯洗剤には多くの化学物質が使われていることを知った。
そこで、自然由来の素材で洗剤を作ることで環境への負担を少なくすることが出来るのではないかと考えた。
②仮説とねらい
・自然由来の素材を用いることで環境への負担が少ない洗剤を作ることができるのではないか。
・自然由来の界面活性剤であるレシチンを使うことで洗浄力の向上を見込めるのではないか。
③研究内容
1.液体石鹸の試作
〜作り方(1回目)〜
・ヤシ油 75g
・グレープシードオイル 25g
・純水 35g
・苛性カリ(水酸化カリウム) 17.3g
・エタノール 30g
〜作り方〜
①各オイルにおける鹸化率を調べる
②苛性カリに純水を加える
③全てのオイルを混ぜ、湯煎にかけて60℃まで温度を上げる
④苛性カリとオイルの温度を同じにし、オイルのビーカーに苛性カリをゆっくり入れて撹拌する
⑤エタノールを加えて透明になり、粘り気が出るまでよく撹拌する
⑥1時間30分ほど、60度で保温する
〜材料(2回目)〜
・ココナッツオイル 75g
・グレープシードオイル 25g
・苛性カリ 22.1g
・純水 50g
・エタノール 30g
〜作り方〜
(1回目同様)
〜材料(3回目)〜
2回目の材料にレシチン 7.14g を加える。
〜作り方〜
⑤の後、レシチンを加えてよく撹拌する。
2.汚れの種類と条件
〜下準備〜
ピペットの製作
①ガラス管をガスバーナーで熱する
②加熱部が柔らかくなったら均等な力で引き伸ばす
③適当な細さになったら火から離し、冷ます
④冷めたらガラスカッターで引き伸ばした部分を半分に切断する
⑤ゴム帽をつけ、電子天秤を用いて0.5gとり、印をつける
布の準備
①綿100%、ポリエステル100%の布を用意する
②裁ちばさみで12×12cm四方に裁断する
〜種類〜
・醤油
・ケチャップ
・口紅
〜条件〜
各汚れを0.5gずつとる
準備した布に汚れを付着させる(口紅は一度手の甲に塗り、布を押し付け、色を付着させる)
20分ほど放置させ、ケチャップは上部の汚れを拭き取る
3.洗濯方法
〜下準備〜
作った洗剤を純水で約33%に希釈する。
〜方法〜
①ビーカーに水700mlを入れ、70gの液体洗剤を加える
②①をマグネチックスターラーにセットし、回転子を入れる
③マグネチックスターラーを中速で回し、水と洗剤をよく混ぜる
④汚れが付着した布をいれ、30分洗濯する
④化学的知識
〜石鹸の構造式〜
CH2-OCO-R CH2-OH
CH -OCO-R + 3KOH → 3R-COOK + CH -OH
CH2-OCO-R CH2-OH
油脂 石鹸 グリセリン
〜けんか反応について〜
けんか反応とは・・・
エステル(酸とアルコールとから、水を分離し合って縮合して生成する化合物)がアルカリを用いて加水分解され酸とアルコールのなる化学反応
けんか率とは・・・
全体量においてどのくらいけん化するかの理論値
1回目 92%
2、3回目 92%
〜レシチンについて〜
レシチン・・・自然由来の界面活性剤
界面活性剤とは・・・
本来混じり合う事のない物質同士の境界面を活性化させるもの
→水と油をなじませ汚れを落とす
〜油脂の性質について〜
石鹸に向いている性質
・ラウリン酸
・ミリスチン酸
・パルチミン酸
・ステアリン酸
・オレイン酸
各油脂の主な成分
パーム油・・・パルチミン酸
ココナッツ油・・・ラウリン酸
グレープシード油・・・パルチミン酸
(生産に関わる問題や、環境面からココナッツ油とグレープシード油を採用)
⑤これからの取り組みのついて
〜現段階での研究結果〜
<1回目>
醤油 | ケチャップ | 口紅 | |
綿 | ◯ | ◯ | × |
ポリエステル | ◯ | ◯ | △ |
<2回目>
醤油 | ケチャップ | 口紅 | |
綿 | ◯ | △ | △ |
ポリエステル | ◯ | ◯ | ◯ |
<3回目>
醤油 | ケチャップ | 口紅 | |
綿 | ◯ | △ | △ |
ポリエステル | ◯ | ◯ | ◯ |
〜考察〜
・1回目と2、3回目では口紅の付け方が違うため、研究結果に大きな違いが生まれてしまった
・ポリエステルと綿では、ポリエステルの方が落ちやすい
・3回目はレシチンが入っているため、油脂成分の汚れには有効な石鹸であることがわかったが、色素成分には有効的でないため色残りが残ったと考えられる
・1回目と2、3回目では汚れの落ち方が違う→使用している油の成分の違いが考えられる
〜今後の取り組み〜
・レシチンの量の違いに対する結果の比較
・実際に作った石鹸が環境に優しいのかを分析(滴定等)
→市販品との比較
・レシチンの他に自然由来の成分を加えての結果の比較
→その石鹸も環境に優しいのか分析(滴定等)
→市販品との比較
⑥まとめ
〜予想される結果〜
・レシチンの量を増やす
→洗浄力が向上する
・レシチンの量を減らす
→洗浄力が下がる
・石鹸の分析、比較
→市販品と比べて環境負荷の小さい石鹸であることがわかる数値が得られる
〜これらの研究価値〜
①身近なもので環境問題について考えることでこれから具体的に何をどうすれば良いか対策することができ、将来的に環境問題の改善につながる!!!
②仮に作った石鹸がとても有効的なことがことがわかった場合、海や川などの豊かさを守りながら全ての人に健康と福祉をという目標の実現の第一歩になる!!!
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