1.研究の背景
最近SDGsという言葉をよく耳にする。そこから「つくる責任つかう責任」という項目に着目して、廃棄される食品(主に青果など)を再利用できないかと考えた。
2.仮説とねらい
青果物には色があるものが多い。つまり色素を持っているのでそれら色素を利用して、染料ができるのではないかと考えた。
3.研究内容
① キャベツをミキサーにかけて細かくする ② キャベツの絞り汁をより多くするために①をさらに乳鉢ですりつぶす ③ ②をキッチンペーパーに包み汁を絞り出す ④ ③を1〜5分ごとに蒸発させ色の濃さを比べる
4.研究結果
4分熱したものが一番濃いという結果になった
5.考察
キャベツにはクロロフィルという色素が含まれており、構造は環状となっていて中心部にマグネシウムが配位している。またクロロフィルは熱に弱く、マグネシウムが外れて水素と置換することでフェオフィチンという物質に変化する。5分熱するとクロロフィルが分解されてしまい、色が薄くなってしまうのではないかと考えた。
別実験として人参を用いて羊毛染色を行った。
2′.仮説とねらい
染色には媒染液が必要であり、その役割は色止め効果と色を濃く発色させる効果の2つがある。一般的に媒染液は金属が用いられる。人参はオレンジ色なので暖色系の発色をよくするミョウバンを用いた。
3′.研究内容
① ミキサーで人参を細かくする ② ①をキッチンペーパーに包み、汁を搾り出す ③ 汁を20mlとり、ミョウバンと酢酸を入れる ④ ③に羊毛を浸す ⑤ 10分間ガスバーナーで加熱しながら染色する ⑥ 染色が終了したら羊毛を水洗いし乾燥させる
4′.研究結果
5′.考察
ミョウバンの役割:もとの色より少し明るく発色 (原理)植物の色素に金属イオンが結びつく →錯体という科学的構造をつくる →鮮やかな色を発色、水に不溶な物質に変化する
酢酸の役割:色止め (原理)色素が羊毛繊維内のたんぱく質にくっつく→酢はたんぱく質を凝固させる働きがあるため染料が逃げにくくなる