①研究の背景
現在コロナ禍で手洗いの重要性が高まったことやSDGsの「すべての人に健康と福祉を」という観点からも大きく関係していると思い、この研究テーマにしようと思いました。
②仮説とねらい
この研究のねらいとしては、どの世代にも使いやすい石鹸を作ることです。
仮説として子供は泡立てるのが難しく、大人は仕事の合間の手洗いは早く済ませたいのではないかという仮説を立てました。
③研究内容
【石鹸の製造】
私たちは、以下の手順でオリーブオイル、べに花油、こめ油、グレープシードオイルの4種類の石鹸を作りました。
1、水酸化カリウム(27.5g)、精製水(65.0g)、油(100g)、ココナッツオイル(30.0g)、エタノール(39.0g)の分量を計る
2、水酸化カリウムに精製水を加える
3、オイルをすべて混ぜ、水酸化カリウムとオイルを60℃くらいまで温める
4、水酸化カリウムとオイルを混ぜ、20分間よく混ぜる
5、少しずつエタノールを加えながら20分間よく混ぜる
6、ジェル状になったら、容器に入れて1週間乾燥させる
【石鹸の香り付け】
アロマオイル(タイムホワイト、ティートリー、ユーカリグロブルス、ラベンダー、ベルガモット)を使い、香り付けをしました。
また、液体石鹸にアロマオイルを2滴たらしました。
【製造した石鹸調べ】
泡石鹸は液体石鹸から作るため、まず、製造した石鹸を精製水で希釈して液体石鹸を作りました。また、2倍、3倍、4倍、6倍に希釈して、液体石鹸を作りました。
次に、希釈した液体石鹸をそれぞれ5ml試験管に入れ、5分間振って泡立ちを調べました。
その次に希釈した液体石鹸を実際に使い、肌感などを調べました。また、他の人にも使ってもらい、アンケートをとりました。
④研究結果
【泡立ちの結果】
オリーブオイルが4種類の中で1番泡立ちがよく、べに花油が1番泡立ちが悪かったです。また、2倍から6倍になるにつれ泡立ちが良くなっていることがわかりました。
オリーブオイル | べに花油 | こめ油 | グレープシードオイル | |
2倍 | 7.0cm | 4.4cm | 7.4cm | 6.5cm |
3倍 | 9.3cm | 8.6cm | 10.7cm | 10.7cm |
4倍 | 12.0cm | 7.6cm | 10.0cm | 9.7cm |
6倍 | 14.0cm | 9.4cm | 9.5cm | 8.3cm |
【肌感】
2倍 | 3倍 | 4倍 | 6倍 | |
オリーブオイル | 粘り気があり、弾力のある泡 | さらさらしたきめ細かな泡 | ||
べに花油 | よく泡立ち、洗い流しが良い | あまり泡立たない | ||
こめ油 | 1番よく泡立った | |||
グレープシードオイル | 1番よく泡立った |
【アンケート結果】
5人中4人がこめ油の石鹸の方が良いと答えました。
⑤考察
2倍に薄めた液体石鹸は粘り気があり、弾力のある泡が特徴で、6倍に薄めた液体石鹸はさらさらしたきめ細やかな泡が特徴です。2倍から6倍になるにつれ粘り気がなくなっていき泡立ちが良くなっていきます。そのため、2倍と6倍の間の3倍が粘り気(洗い心地)や泡立ちがちょうどよく、石鹸で使うのに適しているのではないかと思いました。
また、油を4種類変えても独特のにおいが消えなかったため、においの原因は薬品ではないかと思いました。
⑥技術的知識
油脂と水酸化カリウムがけんか反応をすると石鹸とグリセリンができます。
グリセリンは副生成物で、保湿作用があり、残っていていい成分なのであえて残しています。
⑥まとめ
私たちは実験を通してこめ油の3倍に薄めた石鹸が1番使い心地が良いという結論になりました。
より良い石鹸を作るために様々な実験をしてきたのですが、最終的には人それぞれの好みになってしまうためより良い石鹸をつくるのには限界がありました。
どの世代でも使いやすい石鹸を追究し、手洗いの重要性を多くの人に伝えていくことが大切だと思いました。