化学工学・・・工業的に物質を作る工程について学ぶ学問。
プロセス(工程)・・・原料から製品ができるまでの過程のこと。
ここでは化学反応をともなわないプロセスの物質収支を学ぶ。
化学反応をともなわないプロセスの物質収支には、分離プロセス(混合物の分離を目的とした工程)と混合プロセス(希釈や溶解などを目的とした工程)などがある。今回は、混合プロセスの物質収支の計算を行った。
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【物質収支とは?】
まず化学(科学)には、 「物質は変化しても必ず反応前と反応後の質量の総量は変わらない」という大前提がある。これを質量保存の法則という。
反応器(装置)内に出入りする物質について、質量保存の法則をあてはめることを物質収支という。
物質収支は、全物質収支と成分物質収支に分けられる。
全物質収支・・・全体の量に注目する。
成分物質収支・・・各成分の量に注目する。
物質収支の計算は、全物質収支と成分物質収支の関係を利用して解く事ができる。
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物質収支の計算(黒板の問題)
溝の中を流れる水の量を調べる目的で, 20%の食塩水を毎分 1kgの割合で注いだところ, 下流における食塩の濃度は0.23%であった。 1時間あたりに流れる水の量を求めよ。
〜物質収支を計算する基本手順〜
1)フローチャートを作成し問題に与えられている条件を記入する。(求めたい値や分からかない値は、文字で置き換える。)
2)物質収支(全物質収支・成分物質収支)の式を立てる。
3) 2)で立てた式を利用して求めたい値をもとめる。
※基礎手順の途中経過は黒板に書いてあります。
基礎手順にそって解くと答えは 5160kg/hになります。